誰もが幸福を求めて

セクシャリティ問題を考えさせられるLGBT映画特集

奮闘するも

マルコを取り戻すため、ルディとポールは懸命に裁判所で自分たちが彼の保護者に相応しい事を主張します。また彼らの行動がいかに正しく、例えゲイカップルであろうと問題ないと弁論してくれた人間は他にもいたのです。それはマルコが通っていた学校の先生であり、ルディが働いているショーパブの同僚たちだった。

ショーパブで働いてた同僚たちは勿論だが、学校の先生も2人にとって有利となる証言を下す。というのも、以前から先生は2人がどういう関係かを見抜いており、そのことがマルコにとってなんら大きな妨げになっているとは見えなかったからだ。むしろルディたちのおかげで不安定だった彼の心は落ち着き、生育上の観点からもこのまま2人の下で暮らしていくことが懸命である、そう証言してくれたのです。

それはまたとないものでした、これなら可能性はあると思っていましたが、当時の社会ではそのような考え方は認められませんでした。その一番印象的だったシーンといえば、相手方の弁護士が2人に対して執拗に質問をしていたこと、ゲイというマイノリティという点だけしか見ていなかったのです。

社会の枠において

当時はもちろん、今でもゲイやレズといった同性愛に対して否定的な考えは存在する。それが時として非ぬ偏見をもたらすことになり、生きづらい社会を形成していた。それをまざまざと見せつけられるシーンとして、ルディとポールの関係を執拗についてくる弁護士の姿は差別主義と言えるような言葉で形成されていました。

ゲイであることを批判され、果ては人格すら否定されてしまいます。それでもなんとかマルコを手放したくなかったが、裁判所は結局服役を終えた母親の下でこそ、彼の教育上いいものだという判断を下してしまった。覆しようのない事実にルディは嘆くが、ポールは淡々と呟くのです、『これが現実だ』と。

絆の強さ

ルディにとって最初は騒音を喚き散らす隣人的な存在でしたが、育児放棄された少年が片隅でこっそりしているだけでした。それからは為す術もなく事の経過を見守っていましたが、最終的に施設を脱走したマルコを引き取る決意をし、それにポールも応える様になります。

そう最初からマルコの事を懸命に求めていたのはルディであり、自分と同じで偏見と矮小された社会で生きることを閉じられた少年の事にどこか共感を覚えたのでしょう。最初は同情心から、ポールにしては最終的に自分たちでは彼を育てる事は出来ないとわかっていたのかもしれないが、決意をして引き取る覚悟を決めた。瞬間、3人の絆は構築されて本当の家族以上の絆を勝ち得ることとなる。

けれどそれも社会の差別によって無残にも引き裂かれ、どんなに一緒にいたいと願っても実の母という養育者の前ではルディなど歯が立つわけもなかった。結局、最終的にマルコは母親の下へと連れて行かれてしまい、ルディとポールの2人は覆すことのできない敗北に打ちひしがれてしまいます。

歌手としての道

裁判をしている中で、ルディにレコード会社から歌手として雇いたいという声が届きます。それがまた裁判で戦うルディを後押ししましたが、結果的に彼は敗北してしまいました。ただそれで長年願っていた夢を捨てることなど出来なかったため、本格的に歌手としての道を歩むようになります。

それまでショーパブで歌手の真似事をしているだけだった彼が、自身の本物の歌声で世界に届ける歌を熱唱する姿がとても印象的だ。その姿は理不尽で自分たちの意見など耳も貸そうとしない社会に対する糾弾にも聞こえてきます。

マルコの選択

一方、マルコは母親と共に元々の自宅へと帰っていったものの、そこはマルコ自身が求める家ではありませんでした。そもそも母と認識しているのは生みの親ではなく、1年という時間ながらも自分を確かに愛してくれたルディとポールという存在こそ、自分の家だと思っていたのです。

そのためマルコはまたしても家を抜けだして、『自分の家』へと帰るために道を歩いて行く。居場所があった、愛情があった、家族がいた、それはマルコにとって幸福といえるような素晴らしい環境だったのです。けれど彼がその幸せを手に入れることはもう二度となく、マルコという少年が辿った最期は悲惨の一言に尽きるのだった。

当たり前の幸福

家族という存在は親にとっても子にとってもあるべき無二の居場所だ。それを得られずにもがき苦しむ事、それが耐え難い苦痛であることは言うまでもありません。特に同性愛の人々、かつて結婚など出来るはずもなかった時代においてはその発想すら与えてもらえなかった。それでも求めずにいられなかったのは、やはり家族というものへの絶え間ない在り方と絆の美しさが表現されている。この作品を通してみると、同性愛者であろうと求める幸せの形は同じだということだ。

ボタンを掛け違えてしまった程度の問題、そう思ってもいいくらいの話題なのです。同性を好きになり、そして身寄りのない行き場をなくした子供との共同生活で培われた絆ほど美しい物はなかった。

これは見といたほうがいいですよ

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